SADI web site （ダニと疾患のインターフェイスに関するセミナー）

●趣意

１．「日本では恙虫病・野兎病またピロプラズマ以外にダニが媒介する疾患はないのだろうか」という素朴な疑問が以前からあった。しかし、紅斑熱・ライム病等々の症例が確認されるに及んで、研究の気運が高まって来た。

２．１９９２年度、予研における希少感染症研修会に集まった各分野の研究・実務担当者の中から、自由な討論の場を希求する声が出て来た。すなわち、ダニ類が動物や人類に病原体媒介（感染症）あるいは皮膚疾患やアレルギ－を起因することがあり、対応には各々の専門家が関わっているが、従来は縦割り志向が強くて、互いに横の連絡や接点を探るなどの意見交換の機会が少なかったことに気付くに至った。

　　　自然環境　　　　　　　　　　　生活環境・行動様式
　寄生・刺症性ダニ類（媒介）←→野生動物・家畜（保菌）　人類（患者）
　共生微生物（病原体）　　　　　　低感受性　　　　　　感受性
　医ダニ学・微生物学　　　　　　生態学・獣医学・医学・衛生行政

３．そこで、以下のような原則の下でセミナ－の創設が企画された。

参加資格は問わず、広く公開される。
この種の疾患の疫学的な全体像を把握するため、調査フィ－ルドとの一体性を重視し、その　現地で開催する。
一般に、１日セミナ－でも前後日の時間をとられることに鑑み、本セミナ－では、参集した１日目の夕刻から開会し、討議やフィ－ルド視察、また懇親会も含めて３日目昼までに終えるという日程にする。

４．実際の開催要領は、以下の通りである。

創設時に係わった６氏（後記）が当面の組織委員として、セミナ－の呼び掛け、渉外、雑務等を担当する。
当面、セミナ－開催は年１回とし、ホストは全国の関係者の中から自薦立候補を求めるのを原則とする。不可の場合は組織委員が交渉に当たる。
開催地は、フィ－ルド視察の可能な場所と時期が好ましく、他の学会等との重複も極力避けたい。
開催企画として、参加者からの話題提供、円卓討議、教育講演、地域の特色を出すための依頼講演、また示説や資料配布、さらに標本同定会など、何でも許容される。そして元来、各分野の先駆的な専門家が集まるため、改めて招待講演が必須というものでもなく、職種や職階等による特別扱いも避けたい。すなわち本セミナ－は、通常の学会形式と異なり、毎年、関係者自身が希望して参集する非会員制のものとなる。

５．非会員制のＮＧＯ的なセミナ－とはいえ、高いレベルの学術的成果を各
　　方面に提供するため、発表要旨をSADIのホームページに掲載する。

●ＳＡＤＩ組織委員会
　編集や事務連絡などは下記まで
　e-mail : acaritakadaアットマークrice.ocn.ne.jp
SADIホームページ　　http://www.sadi-web-site.com/

・高田伸弘，矢野泰弘（福井大学医学部）
・藤田博己（馬原アカリ医学研究所）

・馬原文彦（馬原医院）
・大滝倫子（九段坂病院）
・馬場俊一（ばば皮ふ科医院）
　

・岸本寿男（岡山県環境保健センター）
・吉田芳哉（横浜市立大学医学部）
・山本正悟（宮崎大学医学部）